Lightning対応ヘッドホンアンプ Deff Sound DDA-L10RCBK レビュー

26日に秋のヘッドフォン祭 2013 に行ってきました。


実はヘッドフォンは目もくれず、Lightning 対応の小型ヘッドホンアンプが先行発売されるというので、それだけ狙いで行ってきました。写真の黒いリモコンみたいなのがそれです。




Deff Sound 、Lightning対応ヘッドホンアンプ DDA-L10RCBK
http://deff.co.jp/news/2013/10/deff-soundapplelightning.php
http://deff.co.jp/product/dda-l10rcbk.html


この製品は、DAC(デジタル→オーディオコンバータ)を内蔵しているようで、直接Lightingコネクタからデジタルで音声信号をもらって、アナログの音声に直してヘッドホンに出力します。iPhone の内蔵 DAC は小型化の影響も有ってかそんなに音は良くないという評判で、これを解消できればと思っているのですが、相場3〜6万円の本格的なDAC内蔵ポタアンは手が出なかったので、小さくて安価なDACポタアンは待望の一品だったわけです。本製品は 8000円弱で購入可能です。


本来ならば、高級DACポタアン:
Sony: PHA-1 http://www.sony.jp/headphone/products/PHA-1/index.html
FOSTEX: HP-P1 http://www.fostex.jp/products/HP-P1
ADL X1 http://www.furutech.com/ja/2013/03/14/6731/
などと比較できるとよいのですが、残念なことに所有しておりませんので、iPhone の内蔵 DAC+アンプとの比較しか出来ておりません。どなたかこれらも持っている方の比較感想も聞いてみたいところではあります。


比較は、iPhone 5 (iOS7) と主に最近よく使ってるヘッドホン(Marshall MAJOR FX)で標準の「ミュージック」アプリでEQなしの比較です。ちなみに、iPhone に入れている曲は MP3 の 192kbpps でエンコードしているものが大半ですので、ロスレスだとまた印象が違う可能性もあります。


ちなみに、Marshall MAJOR FX
http://www.marshallheadphones.com/product/major-fx
ですが、友人が使ってたのを聞かせてもらったら、ロックのベース域の音が気持ちよく聞こえる元気なサウンドのヘッドホンで一発で気に入ったので、後日自分でも購入してしまったものです。なので、中低音の領域が特に良く聞こえるという特性がありレビューにも影響している可能性があります。

iPhone に入ってた曲で聴き比べてこんな感じでした。

(このDeff Sound のDACアンプ通したときの感想)

当然ですが、レビューの結果は個人の主観ですし、音源のデータ量や、ヘッドフォンなどの再生装置にも依存しますので、あくまで参考程度にしてください。

  • EDM系一般
      • 矩形波・ノコギリ波系のシンセの音の輪郭がくっきりし過ぎて、ブリブリ音の多いEDM系ではちょっと耳障りな感じが増す事がある。▼
    • Skrillex - Right In
      • →中低域のベース音に広がりが出る。ブリブリ言ってる上物はクリアになるが全体的には印象は大きくは変わらず。
  • ハウス〜テクノ
    • Light Soung (Hiroyuki ODA remix) / Re:MIKUS : (kz氏の初音ミク曲の かんざきひろ さんのRemix)
      • →予想外に低域Pad系の音がくっきりする。ミクの声や上物の輪郭は若干クリアになる。ハイハットなど高域はさほど違いが分からない。
    • Minilogue - We All (ちょっとエレクトロ寄りのテクノ)
      • →中低域のPad系の音に広がりが出る。他は違いが分かりにくい。
    • BT様 - Suddenly
      • →音の粒粒感がさらに増してくっきり。耳障り感は特になし。
  • アコースティック系
    • ジェイクシマブクロ+シンディローパー - Across The Universe
      • →印象はほとんど変わらないけど、シンディのガラガラした感じのボーカル部分が、クリアになるので耳障り感が増すかも。▼
    • Zero 7 - I Have Seen
      • →元々若干ローファイ気味の Zero7 でも全体的にクリアに感じる。ハイハットの音も少しクリアになる。
  • バンド〜ロック
    • Marie - アクアブルーの果て(ピアノ+女性ボーカル曲)
    • ねごと - たしかなうた(女性バンド+女性ボーカル)
    • 椎名林檎 - 本能
    • クリープハイプ - ラブホテル(バンド+高い声の男性ボーカル)
      • →音の輪郭が若干良くなるが、殆ど印象変わらず。
    • ザ・ネイキッド・アンド・フェイマス - Punching In a Dream
      • →基本的に印象は変わらないんだけど、エレクトロベースの波形の輪郭がくっきりするので、圧縮音源で良くある音の粒のヨレ感が減る。(ヨレる感じは圧縮アルゴリズムのせいなのかと思ってたらDACのせいなのかな??)

■サマリー

  • 上記のように書いたけど、静かな部屋でよーく聴き比べないと分からない程度の違いです。例えば走ってる電車内だと、違いが分からんと思います。その上で言うと…
  • 全体的に、音の波形がくっきりした印象になる。澄んだ声と高域リバーブが効いてるとよりクリア感が増す。
  • 一方でロック系+普通の声のボーカルには余り効き目が感じられない(違いが分かりにくい)。
  • 予想外に中低域がクリアになり、広がりが感じられるものが結構ある。(ヘッドホンの影響かも)
  • 輪郭の元々くっきりしたシンセの音(ノコギリ波系の音)はモノによって耳障りになるものもある。
  • 音域のバランス、印象が変わるわけではない(高域がより出るようになるとかいう事はない)

注意

  • 電源はiPhoneから供給されるので、20〜30%余計に電力消費するそうです。
  • ヘッドホンに元々iPhone用のリモコンやマイクが付いている場合、これは効かなくなります。アンプに付いてるリモコンを使ってくださいとのこと。
  • 音楽再生アプリによっては、エフェクト効果が効かないものがあります。標準の「ミュージック」アプリのEQは効きました。Bongiovi DSPDSP効果が全く効かなくて、素通しの音が出るだけ。StagePassは会場の効果が効いたので、アプリに因るみたいです


というわけで、静かな所で比べないと分からない程度ですが音はくっきりします。くっきりしたせいでザラついて感じられる音もあるという感じかな。しばらく常用しようと思います。ご参考になれば幸い。